借りたお金を返せない!@事業資金や消費者金融の借入が返済不能になった時にどうなるのか?

お金を返せない

私が子どもだった頃は当たり前だった終身雇用が崩れ、ある日突然仕事を失う人が多くなっています。また、非正規雇用やフリーランスとして働く人の数も増え、借りたお金を返せないという状況に陥る人が増えています。

現代日本人の必須教養?知っておきたい自己破産の基礎のキソ」では自己破産するとどのようになるかを解説しました。自己破産は行き着くところまで行ってしまった場合の話しですが、今回はその前の段階でどのような状況におかれるのか、また自己破産以外の債務整理の方法についても解説します。



お金を返せないとどうなる?

お金を返せないと

クレジットカードの引落し時や、キャッシングの返済時に、どうしてもお金を工面できないという場面に遭遇するかもしれません。もし返済が滞ってしまった場合はいったいどうなるのでしょうか。


返済が遅れると『遅延損害金』が発生

クレジットカードとキャッシングいずれの場合も、返済が滞ると『遅延損害金』というものが発生します。これは返済の期日を守らなかった場合に支払う損害賠償のようなものです。上限はショッピングの場合年利14.6%、キャッシングの場合は元の金利の1.46倍までと定められています。これは通常時の利息にさらに追加して支払わなくてはいけません。

計算方法は以下の通りです。

ショッピング

利用した元金 × 遅延損害金年率 ÷ 365 × 遅れた日数 = 遅延損害金

キャッシング

残高 × 遅延損害金年率 ÷ 365 × 遅れた日数 = 遅延損害金

もし、カードローンで10万円を借り入れしていて、遅延損害金率20%のところを30日延滞した場合は、10万×20.0%÷365×30=1643円という計算になります。遅延損害金は日割計算で、一日ごとに加算されていきます。目途が立ったらすぐに返済をするようにしてください。


督促とは?

クレジットカードの場合

クレジットカード会社の場合は、ハガキや電話で再度別の日に口座から引き落としをするという連絡が来ます。

翌月分と一緒に引落をするという会社が多いですが、その間も遅延損害金が発生しますので、早く支払ができる場合はその旨を伝えて早く支払いましょう。指定の日に支払が間に合わなかった場合は、カードは利用停止となってしまいます。


消費者金融の場合

消費者金融の場合は、まず本人の携帯電話へ電話がかかってくる場合が多いです。消費者金融は本人以外に借入が知られないように細心の注意を払っていますので、いきなり会社名を名乗ることはせず、個人の名前で電話をかけてきます。

電話は一日に3回程度、本人と直接話ができるまで毎日かけてきます。電話で連絡が取れない場合は手紙やハガキで督促状を郵送します。この督促状も、表向きはどの会社からの郵便物か分からないようになっています。


禁止されている取り立て行為

借金の督促というとテレビ等でよく見る怖いものを連想しやすいですが、以下のような取り立ては貸金業規制法で厳しく禁止されています。

取り立て

禁止されている借金の督促

  • 何度も繰り返して電話や訪問をすること
  • 多人数で自宅へ訪問すること
  • 理由なく午前8時~午後9時以外の時間に電話をしたり訪問をすること
  • 自宅に張り紙などをし、借入をしていることを周囲に漏えいすること
  • 他の貸金業者から借入をして返済をするよう促すこと
  • 乱暴な言葉を使ったり、大声を上げること
  • 暴力を振るうこと
  • 勤務先に訪問すること
  • 支払義務のない親族などに取り立てを行うこと
  • 調停や破産の手続きをしたり、弁護士や司法書士に債務管理を委任したにも関わらず支払を請求すること

最初から法律に違反している『ヤミ金業者』はこの限りではないですが、財務局長などの登録を受けている金融会社であれば、これらを遵守していますので安心してください。

参考:金融庁 免許・許可・登録等を受けている業者一覧/金融商品取引業者等/登録金融機関.pdf http://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyoj/touroku.pdf

督促をなくすには?

連絡する

金融会社が督促を行う際に重要視するのは、いつまでに返済ができるかということです。やむをえない理由で返済が遅れてしまう場合は、金融会社から督促をされる前に連絡をしましょう。

現在は支払ができないこと、いつ支払うことができるかをきちんと伝えていれば、支払の期限を伸ばしてくれることがあり、督促の連絡も止まります。延滞している間はそのカードを使えませんが、支払が完了すればこれまで通りに利用ができることも多いです。


延滞中に他社のカードは使える?

返済のためのお金を工面できない場合、他のカードローンから借入を行い、そのお金でとりあえず返済をしようと考える方もいると思います。実際にそのようなことはできるのでしょうか。


いつからブラックリストに載る?

よく耳にする『ブラックリスト』という言葉は、銀行や消費者金融、カード会社が審査の際に参照する『信用情報機関』の事故情報のことです。


信用情報と事故情報

信用情報機関には借入やローンに関する情報が全て記録されており、金融会社は顧客の契約状況を共有し、審査の際にこれを必ず参照します。長期間の延滞、自己破産、債務整理などを『事故情報』と呼び、これがあると借入ができないことが多いです。事故情報は最長で5年間記録されます。

返済が遅れるとすぐに事故情報が載るわけではありません。通常は返済が3ヵ月以上遅れると事故情報として記録されます

また、これは金融会社にもよるのですが、短い日数でも何回も延滞を繰り返していると事故情報に記録されることがあります。そのため、1回だけ、短い期間の延滞ならば、他社に延滞の情報が渡っていないといえます。


他社から借りても...

増える借金

例えば、100万円を利息10%で借入する例を考えてみます。利率が10%の場合は利息が10万円となりますので、元本100万円+利息10万円=110万円を返済することになりますが、この110万円分を他社から借入し返済したとします。

その場合、この次の返済は、元本110万円+利息11万円=121万円と、利息分が追加されて10万円を余分に返済することになります。これを繰り返していくと元本が膨れ上がっていき、借入が雪だるま式に増えていきます

このように他社から借りたとしても借金が増えるだけです。返済ができない場合は他社から借りることを考えず、返済期日を伸ばしてもらったほうが賢明です。


『クレジットカードの現金化』は安全?

クレジットカードの現金化

街の看板や雑誌、インターネットなどの広告で『ショッピング枠の現金化』という文言を見かけます。


『クレジットカードの現金化』の仕組み

『ショッピング枠の現金化』とは、クレジットカードで商品を購入し、それを業者に8割~9割程度の金額で買い取ってもらう事により現金を得るという仕組みになっています。現金を得ることはできますが、結果としてカードの支払に苦しむことになります。


規約に反する行為

これらを行っている業者は厳密には『ヤミ金』ではないのですが、規約に反する行為であるとして日本クレジット協会が注意喚起(※)をしています。

クレジットカード会社は換金目的でのカード利用を禁止しています。この規約に違反すると、カードが利用停止になったり、一括で残金を請求されたり、カードを退会になってしまうこともあります。

二次災害もある

『クレジットカードの現金化』で業者へ提供した個人情報やカード情報が悪用される恐れもありますので、避けたほうがいいでしょう。
参考 ※日本クレジット協会 クレジットカードのショッピング枠の「現金化」の誘いにご注意ください
http://www.j-credit.or.jp/customer/attention/attention_05.html#area0203

延滞を放置するとどうなる?

返済が長期間滞ると、担当者が自宅に訪問することもあります。しかし現在は貸金業規制法で取り立てのルールが厳しく設定されてる上、訪問には人件費や交通費がかかります。

以前は消費者金融の支店が数多く存在していましたが、今は人員削減を行っている会社が多数です。そのため自宅へ訪問はせず、法的手段を取る業者が増えています


法的な手段で最悪差し押さえの恐れも

支払督促申立書
出展 裁判所 支払督促申立書
http://www.courts.go.jp/saiban/syosiki_siharai_tokusoku/siharai_tokusoku/

step.1

長い間返済が滞ると、簡易裁判所から『支払督促申立書』という書類が届きます。

これは金融会社が裁判所に依頼をして送られるもので、法律のもとに債務の返済を促す通知です。支払督促申立書には『異議申立て書』という書類が同封されていますので、借入した覚えがない場合や一括で返済ができない場合は、2週間以内に異議申立て書を提出します。

step.2

もしこれを提出せず14日経過すると、『仮執行宣言付支払督促申立書』が裁判所から発送されます。「異議申立てもなく返済もしないため、強制執行をします」という予告の通知です。これも2週間以内に異議申立てを行うことができます。

step.3

この仮執行宣言付支払督促申立書を放置すると、法的に債権が認められ、一括で支払をするという判決がされてしまいます。すると『強制執行』ができるようになりますので、給料や財産を差し押さえられることになります。


step.1で異議申立てをすると...

step.1で『支払督促申立書』または『仮執行宣言付支払督促申立書』を受け取ったあとに異議申立てを行うと、簡易裁判所に出向いて金融会社の社員と和解をすることになります。裁判所より『口頭弁論期日呼出状』『訴状』『答弁書』が届きます。


口頭弁論期日呼出状

裁判所へ出廷する日時が記載されています。もし都合が悪いときには裁判所へ相談をしてください。


訴状

金融会社側の訴えです。返済が滞っているので一括で支払をしてほしい、という旨が記載されています。


答弁書

訴えられた側の訴えを記載する書類です。「一括で支払は難しいため分割で月○円ずつ払いたい」など、具体的な希望を書いてください。

指定された日時に実際に裁判所に出向くこととなりますが、裁判は短い時間で終わります。答弁書に記載した内容を元にして、金融会社の社員と司法委員とで今後の返済について話し合います。

実際に希望が通るかは状況によって異なりますが、二度と延滞がないよう無理のない計画を立ててくれることが多いです。


強制執行とは

強制執行

『支払督促申立書』『仮執行宣言付支払督促申立書』を無視すると、強制的に判決が確定し強制執行となります。強制執行とはいわゆる差し押さえのことです。

裁判所の許可を得て相手の財産を取り上げ、それを債権の返済費用に充てます。差し押さえについては民事執行法でルールが定められており、財産全てが差し押さえされるわけではありません。


差し押さえを禁じられているもの

生活保護、年金など、生活保障に関わるものは差し押さえされません


差し押さえが制限されているもの

以下にあてはまるものは、4分の1の金額しか差し押さえされません

  • 給与、賞与、退職金、賃金など
  • 国や自治体から、生活を維持するために受給している手当
  • 退職手当、またはそれと同じ性質を持つもの

差し押さえの対象外

また最低限の衣類や寝具、家具など、原則として生活に必要なものは差し押さえの対象外となります。生活に不可欠な一定期間の燃料や食料、生活費も差し押さえ対象外です。


借金にも時効がある?

時効

借金にも時効があります。借金が残っていても時効になれば返済をしなくてもよくなります。借金の時効には『取得時効』と『消滅時効』の2種類があり、個人の場合は消滅時効が適用されます。

個人からお金を借りた場合、時効は10年です。返済期日の翌日から10年間で時効が成立します。分割で返済予定だった場合は、返済をしなくなった返済予定日の翌日から10年です。相手が金融機関の場合は時効は5年となります。

しかし、この時効は法的手続きをすれば延長が可能ですので、時効を迎えることはまず不可能と考えてよいでしょう。


借金に行きづまったら債務整理を

弁護士

借金が重なり、どうしても返済のめどが立たなくなってしまった場合は、法律事務所や司法書士などの法律の専門家に相談をしましょう。

誰かに相談することで気分が楽になりますし、相談だけなら無料で行っている事務所がほとんどです。債務整理を行うことで借金の問題を解決できるかもしれません。

債務整理のメリット、デメリット

債務整理にはいくつかの方法があります。過払い金請求以外の手段をとった場合は信用情報機関に事故情報が最長5年登録され、その間ローンを組んだり借入をしたりすることができなくなるデメリットがあります。しかし弁護士や司法書士に依頼をすればすぐに金融会社からの督促から解放され、金銭的な負担だけでなく心の負担もぐんと軽くなります。


周りにばれてしまう?

債務整理を行うと家族や会社に知られてしまうのでは、と不安になる方もいると思いますが、司法書士や弁護士には守秘義務があり、個人情報の取り扱いにも細心の注意を払っていますので安心です。


任意整理

任意整理とは、金利を再度計算し直し、元本だけを分割で返済するという和解契約を金融業者と結ぶことです。

金融機関との和解交渉は弁護士や司法書士が代理で行います。過去と今後の利息がカットされますので、借金の負担が大幅に減ることが多いです。

メリット

自己破産等と違い、財産を手放したりする必要がありません。手続きに裁判所を通さないため、書類の作成も少なく、官報に名前が残ることもありません。

また、任意整理は各金融会社ごとに行うため、支払が可能な他のローンはそのまま支払の継続が可能です。

デメリット

利息はカットされますが、元本は全額支払うことになるため、他の手続きに比べて負担が大きくなります。そのため、継続して収入がある人でないと難しい手段です。

民事再生

借入を5分の1~10分の1に減らし、3年間で分割返済をする方法です。この減額の程度は借入金額や財産によって様々です。裁判所に借金の返済が困難であると認定を受ける必要があります。住宅などの財産は手元に残すことができますが、住宅ローンは軽減されません。

メリット

自己破産をすると住宅は処分されてしまいますが、民事再生の場合は高額な財産はそのまま手元に置くことができます。返済の義務が全てなくなるわけではないのですが、住宅ローン以外の返済を大幅に軽減できます。

デメリット

借金が全てなくなるわけではありません。また、住宅ローンは原則として一切軽減されません。

自己破産

自己破産とは、借金の返済ができない状態に陥ったこと(『支払不能』と呼びます)を裁判所に認めてもらい、法律で借金の支払いを免除してもらう制度です。自己破産を行うと、原則として全ての借金の返済義務がなくなります。しかしその分デメリットも多い手続きです。

自己破産をすると戸籍に記載される、選挙権がなくなるなどという噂が流れたこともありますが、実際にそのようなことは一切ありません。自己破産をしても周囲に知られないまま普段通りの生活を送っている方が多くいます。

メリット

借金が全てなくなりますので、返済で悩むことが一切なくなります。

自己破産をすると財産を差し押さえらえられますが、生活に必要なもの、時価20万円を超えないものはその対象になりませんし、生活に不可欠な携帯電話も料金の滞納がなければ自己破産後も使用できます。

また、年金や自己破産後に手に入れた財産は差し押さえされません。

デメリット

財産の殆どのものが差し押さえの対象となり、換金されて金融業者へ分配されます。家、車、保険、受け取る予定の退職金などです。

具体的には、99万円を超える現金、時価20万円を超えるものが差し押さえられます。

また、自己破産の手続き中は、税理士や弁護士・生命保険募集人・宅地建物取引士など、特定の職業に就くことができません。期間は3ヵ月~6ヵ月間ですが、これらの職業に就いている人はその間職を失うことになります。

本ページ冒頭でも触れましたが、自己破産について詳しく知りたい場合は「現代日本人の必須教養?知っておきたい自己破産の基礎のキソ | 消費者金融おすすめ比較ランキング」のページを参考にしてください。


過払い金請求とは

法律相談事務所などの広告で、過払い金という言葉を耳にする機会が多いかと思います。

過払い金とは、本来払う必要がないのに金融業者に払いすぎていた利息のことです。現在の貸金業法では、利息制限法での利率に基づいて、15%~20%の金利で貸し付けを行うように定められています。

しかし貸金業法の改正前、多くの消費者金融会社は出資法の上限金利29.2%で貸し付けを行っていました。この利息制限法と出資法の利息の差(グレーゾーン金利)の返還を求めるのが過払い金請求です。


過払い金が発生している可能性が高い人

2010年までに消費者金融で融資を受けていた人は過払い金が発生していると考えられます。特に、消費者金融と長い期間取引を続けている人は、高額の過払い金が発生している可能性があります。

おおよその数字を入力するだけで大体の過払い金が計算できる法律事務所のホームページもありますので、心当たりのある方は確認をしてみてください。


過払い金請求のデメリット

過払い金を請求するとブラックリストに載ってしまうのでは、と不安になる方もいるかと思います。

平成22年4月より日本信用情報機構は過払い返還請求(コード71)の情報収集を廃止していますので、過払い金を請求したせいでローンが組めなくなるということはありません。過払い金請求は法律で認められている権利ですので安心してください。

しかし、過払い金請求をした先の貸金業者からは二度と借入ができなくなります


過払い金請求の期限

過払い金を請求するには時効があり、借金を全て返済してから10年以上が経過してしまうと請求ができなくなります。また、消費者金融会社が倒産してしまっても請求が不可能になりますので、心当たりのある方は早めに相談をしましょう。


過払い金請求にかかる費用

実際過払い金を請求する際には弁護士事務所などを通して手続きを行うことになります。その場合の費用ですが、殆どの事務所は相談は無料で行っています。

過払い金請求に関しては完全成功報酬制をとっている所が多く、その場合費用が取り戻した過払い金を上回ってしまうことはありませんし、過払い金が戻ってこない場合は費用は発生しません

 個人で交渉できる?

「直接金融機関に過払い金を請求したい」と考える方も多いと思いますが、大手の消費者金融の場合、弁護士や司法書士等の法的機関を通して交渉をするようにと言われることがほとんどです。膨大な顧客を抱えているため、個人からの交渉には簡単に応じられないのです。


更新日:2017/06/23

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